ゆっくりとした雪解けの時を経て、阿寒の森も日に日に春の気配を色濃くしています。
今から150年前の春。和人未踏の未開地だったこの阿寒湖周辺に、初めて足を踏み入れた人。それが松浦武四郎です。
幕末から明治時代に活動した探検家は、当時蝦夷地と呼ばれた北海道を調べ歩き、
安政5年(1858年)春に、アイヌの案内人とともにこの阿寒湖周辺へとやって来たのです。
武四郎の目に、春萌ゆる阿寒は、どのように映ったのでしょう。
北海道人(※)・松浦武四郎の目と心で、「ボッケ 森のこみち」を散策してみませんか?

武四郎が阿寒湖を訪れたのは1858年の旧暦3月27日。新暦では5月27日ですから、ちょうどミズバショウや薄いピンク色のエゾオオサクラソウ、濃いピンク色のクリンソウなどが咲き誇っていたころでしょうか。武四郎が道東探検によって著した「久摺(くすり)日誌」には、「アイヌの人々から聞くところによると、久摺(現在の阿寒国立公園)の大自然美は相当なものらしい。しかし未だこの地を探検した者はないという。これは自らを奮い立たせて挑もうと、案内役のアイヌなど9名と釧路を出発し山へと入った」という内容の、旅立ち当時の心情が書かれています。

武四郎の日誌には、必ずアイヌ部落の戸数や住民の名が記されていますが、阿寒湖畔についてはその記述がなかったとされています。150年前の阿寒湖畔はまだアイヌの人々も住まない、無人の地だったのかもしれません。しかしながら他地域アイヌの人々の往来は多いようだと書かれています。
 さらに武四郎は、阿寒湖を小舟で渡って4島をめぐり、滝口付近も探訪しています。また、原生林を歩いて、ふつふつと湧くボッケを見たり…。そうした感動の数々を、武四浪は漢詩に詠んでおり、その漢詩碑が「ボッケ 森のこみち」にたたずんでいます。

「久摺日誌」の中には、「阿寒湖にはウグイやアメマス、ヒメマスが多い」と書かれており、さらには「土地の者が四尺ほどのヲヘライベ(イトウの一種)を持ってきた」「従者が鹿を狩ってきた」という記述も…。武四郎たち探検隊は、厳しい探訪の日々ながらも阿寒湖での滞在中には、たぐいまれな景勝といで湯、そして豊かなごちそうに癒されたのではないでしょうか。時を経てもなお変わらぬ魅力を放つ阿寒湖で、武四郎が感じた遅き春を探訪してください。

「ボッケ 森のこみち」に建立されている武四郎の漢詩碑。「水面風収夕照間 小舟棹支沿崖還 怱落銀峯千仞影 是吾昨日新攀山」と刻まれています。
大意は=「夕方になり、湖面も波立たない静かな中、周辺の崖に沿って小舟を動かしていると、雪をかぶった美しい雄阿寒岳の雄大な姿が、影となって湖面におとしているではないか。この山こそ、わたしが昨日登った山なのだ。」です。

松浦武四郎
1818年〜1888年
1844年に蝦夷地(現在の北海道)探検に出発し、
後の1855年には幕命により再び蝦夷地を踏査しました。


武四郎がアイヌの人々から聞き調べた地名は、明治政府に選定され現在まで使われています。また、北海道」の名称も武四郎による命名。
「北海道人(※)」とは武四郎の雅号で、蝦夷地はもともとアイヌの人々に「かい」と呼ばれていたことから、「かい=海」とういう意味を残しておきたかったのだろうといわれています。


 国の特別天然記念物に指定されている阿寒湖のマリモ。約110年前に発見されてから、さまざまな研究者が阿寒湖を訪れながらも、「なぜ丸くなるのか? 岩石に着くマリモや綿くず状の藻が湖底に堆積するマリモとはどう違うのか?」など、マリモの生態の謎は残ったままでした。しかし、現在では少しずつマリモの生態が分かってきています。「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」内には、釧路市教育委員会の「マリモ研究室」があり、ここで学芸員であり理学博士の若菜勇さんらが1991年から阿寒湖のマリモについて研究・調査を行っています。そして17年に及ぶ研究により、ここ数年でマリモという多様性生物の実態が解き明かされてきたのです。
 「阿寒湖のマリモと同じ種類の生物は世界中に分布していますが、丸くなり、群れて巨大化するものは阿寒湖だけ。阿寒湖のマリモは世界的に貴重なのです」と若菜さんは言います。豊かな森と火山に抱かれた環境、そして阿寒湖の独特の形状。これらの偶然性によって生まれたマリモを、保全・再生してゆくことが同研究室の次の目標です。透明度の高い清らかな湖水で育つマリモは、まさに環境を映す生物。阿寒観光汽船で行くチュウルイ島の「マリモ展示観察センター」や「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」の展示フロアで水槽中のマリモを見ることができますので、マリモの姿から阿寒湖の貴重さを感じてください。

「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」
の展示フロアにあるマリモの水槽。

「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」には、
研究によって判明した新たなマリモの生態
が掲示説明されています。

釧路市教育委員会
阿寒生涯学習課
学芸担当専門員
若菜 勇さん

阿寒湖畔
エコミュージアム
センター
阿寒湖温泉1-1-1


 阿寒湖温泉のアイヌ部落にある「民芸喫茶ポロンノ」は、アイヌの人々が昔から食べていた料理を気軽に味わえるお店です。川や海の魚、鹿肉、木の実や山菜など、自然の恵みに彩られる「アイヌモシリの郷土料理」はどれも体にも優しいメニュー。〈ユックセット〉は鹿肉やギョウジャニンニクの汁ものセットで、〈チェップセット〉は鮭と季節の山菜、焼き昆布などが入った汁ものセット。山の味、海の味、どちらも人気です。このほか〈ユックカレー〉700円や、アイヌ風山菜炊き込みご飯の〈アマムカレー〉800円も気になるメニュー。
同店の名物ダンゴ〈ポッチェイモ〉400円や、キハダの実を煎じた〈シケレベ茶〉350円など、ひと休みメニューも豊富です。

<ユックセット>850円
鹿肉や豆、ギョウジャニンニクが入ったお汁は、昆布と塩だけで味付けされたピュアな味。イナキビやギョウジャニンニク、豆などを炊き込んだ雑穀ご飯と、鮭の背わた塩辛<メフン>がよく合います。 ※季節によってお汁に入る食材もさまざまです。

「ポロンノ」店長の
  郷右近 好古さん
(ゴウウコン ヨシフル)
「ポロンノ」とはアイヌ語で
「大きい、たくさん」の意味。

アイヌ料理の店 民芸喫茶 ポロンノ
阿寒湖温泉4-7-8 TEL:0154・67・2159
営:夏期4月29日〜10月末/10時〜23時
  冬季11月1日〜4月下旬/12時〜21時30分
  (来店時は電話確認が確実)
不定休

今から20年も前…。全国のスポーツフィッシング・エキスパートたちが、たびたび阿寒湖を訪れていました。その中には、日本を代表するプロアングラーでフィッシング・ジャーナリスト、故西山徹さんもいました。阿寒湖を愛し、たびたび訪れる西山さんと知り合い、同時に西山さんから影響を受けて、地元阿寒湖とトラウト(マス)の魅力を改めて知る阿寒湖畔の人もいました。そうした人物が、桶屋潤一さん。阿寒湖と阿寒川を世界水準のスポーツフィッシング・フィールドにするため奔走した中心人物です。日本に前例のなかったキャッチ&リリース規則を、阿寒川に初めてエリア設定したことでも全国から注目されています。

日本初のC&R法制化。
そこから阿寒湖の可能性が広がって。

 「自分も含め地元の人間が、阿寒湖の魅力を知らなかったんだよ」と言う桶屋さん。阿寒湖漁業協同組合の理事として遊魚担当になった時、「どうしたら遊魚事業を繁栄させることができるか?」が課題でした。それを西山徹さんに相談すると彼はこう言ったそうです。「簡単だよ。キャッチ&リリースにしたらいい。そうしたら魚が増えて遊魚人口は増える。阿寒は素晴らしいトラウトカントリーになる」と。そうはいっても、当時の水産法では遊魚規則を設定することができない。それでも3年の間、地元有志らの協力を得て、「キャッチ&リリースによって、これだけ魚を保全できる」というデータを蓄積し、遊魚規則設定の知事認可を得たのです。そうして2003年に実現した日本唯一の遊魚法制。規則設定エリアは阿寒川上流の一部で、阿寒川の遊魚期間は5月1日から10月末。阿寒湖は同日から11月末まで。そて、エサ釣りは禁止。フライもルアーもバーブレスフック(かえしのないフック)でルアーはシングルフックがルール。これはリリースする魚を傷つけない配慮です。

これまで都市のイベント施設で行われていた「フライフィッシングフェスタ」が、実際のフィールドで行われるとあって注目度も上々。

地元阿寒の人たちにも、
フィッシングを始めてもらいたい。

 こうしてスポーツフィッシングのフィールドとして日本有数の環境に整えられた阿寒湖と阿寒川。桶屋さんの次の目標は、阿寒湖畔をフライフィッシングの聖地として育て上げることでした。そしてついに、7年前から関東を拠点に行われてきた大イベント「フライフィッシングフェスタ2008」の舞台を、この阿寒湖畔に誘致したのです。NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構や阿寒湖温泉旅館組合、阿寒湖漁業協同組合が一丸となってバックアップする同フェスタには、全国からたくさんの出展社とフライフィッシングファンが訪れるでしょう。桶屋さんが言います。「これを機に地元の人もフライフィッシングを始めてくれたらいい。自分もそうだったけども、ここでフライフィッシングをすると、阿寒湖がいかに素晴らしい環境に恵まれているかが分かるから」。阿寒湖のアメマスが最もエキサイティングな5月15日から20日のワンウイーク。阿寒湖が新たな一歩を歩み始めます。

フェスタ開催時期は、秋に
産卵したアメマスが最も
接岸します。

フライフィッシングフェスタ2008

日時:5月17日(土)・18日(日)、9時〜16時  場所:阿寒湖温泉街中心部駐車場【入場無料】
問い合わせ先:NPO法人阿寒観光協会 TEL0154・67・3200

ビギナー向け併設イベント(NPO法人阿寒観光協会主催)
5月15日(木):「やさしいフライフィッシング」13時〜15時【参加無料】エキスパートに習うことができるチャンスです。
5月16日(金):「阿寒の森と昆虫たち」エコミュージアムセンターにて10時〜12時・13時〜15時【参加無料】
5月15(木)・16(金)・19(月)・20(火):
「さあ〜釣りに行こう」5時〜10時・13時〜17時【有料】阿寒を熟知したガイドと釣りを楽しめます。


遥か昔、それは今から1200年前のこと。アムール川下流域から流氷に乗って、網走などオホーツク沿岸へたどり着いた民がいました。
海獣を狩猟しながら豊かな文化を極めていた、流氷の民「オホーツク人」。彼らの存在が明らかになったのは、1913年のことでした。オホーツク文化の証である「モヨロ貝塚」が発見され、北海道の古代史に新たなページが刻み込まれたのでした。

オホーツク文化の存在を世に知らせたモヨロ貝塚。その発見は実にセンセーショナルなものでした。発見者は青森県出身の理髪師、米村喜男衛(きおえ)さん。幼い頃から考古学に興味を持ち、理髪店に勤めるかたわら考古学や人類学に触れ、アイヌ研究を思い立ち北海道網走を目指したのです。当時21歳。網走のまちを流れオホーツク海に注ぐ網走川。米村青年がその河口の砂丘で見つけたものは巨大な貝塚で、そこから出土した土器は縄文系とも違う新種。さらに歩くと古代の縦穴住居跡も。ここを米村さんは「モヨロ貝塚」と名付け、同時に米村さんの遺跡研究人生が始まったのでした。今では東京大学もオホーツク文化と遺跡群の研究を行い、オホーツク文化を集約した博物館や資料館も数々あります。しかし、その道筋も米村さんの発掘研究がなければ実現しなかったことでしょう。

モヨロ貝塚館
それまで知られていたどの民族とも違う謎のオホーツク人。
その生活を物語る土器や彫像品が発掘された、オホーツク文化を代表する遺跡です。

網走市北2条東2丁目 TEL0152・43・2608
営:9時〜16時(夏期は17時まで) 休:月曜・祝日
料金:大人100円、小学生・中学生50円

森と湖と海。そして野生の花がある網走は、野鳥が豊富な地域です。しかも春は木の葉が少なくバードウォッチングには最適シーズン。そこで、ネイチャーガイドの梅林弘道さんが、この時期だけのとっておき探鳥プランをプロデュースしてくれました。それは、早朝の1時間半に「20種類の野鳥を見つけたり、鳴き声を聴こう」というもの。ガイドが付きっきりだからこそチャレンジできる、ぜいたくアクティビティです。


100ヘクタールもの牧草地があり、放牧される牛たちはみな健康。だから安全でおいしいミルクが生まれます。このほかミルクプラントや牛舎、チーズ工房、肉製品工場、生キャラメル工場などが建ち並んでいます。

流氷が消え、紋別の海が春を迎えました。網走地方の北部に位置する興部(おこっぺ)町は、人口約4500人で乳牛は約1万2000頭というオホーツク沿岸部を代表する酪農地域。
そして「おこっぺ牛乳」は町の顔となっています。20年前、この地で生きる若い酪農家が、生産した乳を自ら加工、製品化し、直接市場へ販売する、という事業に挑みました。
当時の北海道ではまだ前例のない模索の事業。
「農業でどんなことができるのか。その可能性を試してみたかった」。
その思いに突き動かされ、新しい農業を切り開いた人が、
大黒宏さん(51歳)です。

まず地元消費者に向き合うことからスタート。

 「3年かけて乳処理業の認可を取得した当初は、『大黒はいったい、何をしようとしているんだ?』と異端児のように見られていたと思います」。そう言って笑う大黒さん。当時は飼育頭数を増やして乳量拡大を目指す酪農家が一般的で、搾った生乳はすべてJAに託すことが当たり前でした。ところが大黒さんはミルクプラントを作ったのですから…。少年時代、地元で搾った牛乳を地元で飲めないことに疑問を感じたことや、酪農学園大学卒業後すぐにニュージーランドの牧畜業を視察した経験も切っ掛けとなりました。「いくら経営規模を拡大しようと、国際市場では私たちの酪農業が乳価の安いニュージーランドやオーストラリアに勝てるわけがない。では、この小さなまちが千年先まで牛とともに暮らしていくにはどうしたらよいのか? そう考えて、身近な消費者に直接向き合うことから始めました」。

製品は乳製品からスイーツ肉加工品まで幅広く。

 1988年にまず低温殺菌・ノンホモ(※)の〈オホーツクおこっぺ牛乳〉を製造し、地元での宅配を開始。その後は、興部町内の学校給食事業も実現させます。興部町の人が興部産の牛乳で暮らせる。それは大黒さんの大きな喜でした。製造製品も、ヨーグルトやナチュラルチーズ、醗酵バター、ソフトクリームミックスと次々に増えてゆき、さらにはプリンなどのスイーツや牛・豚肉の加工食品まで広がりました。ここ興部町の本社・製造工場、本店レストラン・ミルクホールの他、直営ショップレストランが全国に4箇所有ります。それでも、搾乳頭数は一軒の酪農家だった時代と同じ52頭。道東では決して大規模と言えない飼育頭数で、約80名のスタッフを擁する一事業が展開されているのです。

大黒さんの夢が種を落としやがてまちに芽吹きが。

 大黒さんの追い求めた「農業の可能性」が、「ノースプレインファーム」の躍進という形で見えてくると、同じ興部町の酪農家や「ノースプレインファーム」で働いていたスタッフが独立し、自分のナチュラルチーズ工房をおこし始めました。さらにアイス・ソフトクリーム事業や牛脂を利用した石けん製造事業も始まってきています。「これは何よりもうれしいこと。このまちに新しい農のかたちが育つことが、私の夢ですから」と、そう話す大黒さんの立場はまぎれもない会社社長。それでも、「私は今でも一人の酪農家」ときっぱり言います。今も朝5時から牛舎に入り搾乳をするのは、自分の原点を忘れたくないからなのです。

<オホーツクおこっぺ牛乳>900ml、200ml<低脂肪のむヨーグルト>500ml、<醗酵バター>100g 、<ゴーダチーズ>約120g <生キャラメル>は一昨年から発売されるヒット商品。口の中に入れた瞬間とろけます。全3種。

「本店レストラン・ミルクホール」には、ミルクを使ったカフェメニューや食事メニューが多彩に揃っています。
定番のレッドミートハンバーグが大人気。
紋別郡興部町北興 TEL0158・88・2000
営業時間:10時〜18時
休:火曜(夏季・祝日は営業)

(※)低温殺菌とは生乳の栄養分や風味などを保つ長時間の殺菌方法。これに対し高温殺菌は短時間で済むが栄養が損なわれる。ノンホモとは生乳の脂肪を圧搾・粉砕しない状態の牛乳。


阿寒湖にいよいよ遊覧船が運航します。4月中旬を過ぎても氷に閉ざされた阿寒湖の、春の風物詩といえば
湖水の砕氷です。砕氷して湖が開けた航路を運行する「砕氷帯観光遊覧」が期間限定で行われ、
その後はいよいよ「湖水開き」。春ならではの水上散歩を楽しんでみましょう。


「砕氷帯観光遊覧」の所要時間は15分程度で、料金は大人800円、子供480円。

遊覧船定期便は毎日1時間おきに運行しています。普通料金は大人1,750円、子供920円(「マリモ展示観察センター」入館料を含みます)。

「砕氷帯観光遊覧」は4月21日から約1週間。

阿寒湖は日本で唯一、砕氷帯の観光遊覧ができる湖です。すでに砕氷している航路を運行するのですが、それでも厚さ40センチもの氷片の中を進むと船底が氷にぶつかる音や軽い衝撃を実感できます。氷と氷がぶつかる様子も迫力満点で、運が良ければ、砕氷していない場所をエゾシカの群れが横断する場面に出会えるかも…。こんなチャンスも砕氷シーズンならではの楽しみです。
今年の「砕氷帯観光遊覧」は増便され、朝8時から夕方5時まで全5便が運行します。

「湖水開き」は4月29日予定。

砕氷帯観光遊覧によって航路が広がると、いよいよ「湖水開き」です。今年の「湖水開き」は4月29日の予定で、チュウルイ島を往復するルート。そして5月1日からは定期便が運行を開始します。チュウルイ島の「マリモ展示観察センター」や、阿寒湖の景勝地「滝口」をめぐる遊覧船一周は航路約18キロで所要時間は約85分。
高速船(要予約)も同じく5月1日から運行します。5月末頃には雄阿寒大崎でエゾムラサキツツジの花が見られます。春めいて鮮やかに色づく阿寒湖の景勝が楽しみです。


「砕氷帯観光遊覧」の所要時間は15分程度で、料金は大人800円、子供480円。

遊覧船定期便は毎日1時間おきに運行しています。普通料金は大人1,750円、子供920円(「マリモ展示観察センター」入館料を含みます)。


阿寒の春はかわいい花から始まります。若い頃から水彩画と版画を制作しております。その題材として花々をスケッチしたり写真に撮し続けること40年。釧路や阿寒の花写真は約300種類、7,000枚ほど撮りためています。自他ともに認める花好きの私がお届けする、「春に咲く、阿寒湖畔の花グラフィティ」。阿寒湖畔の春を語るなら、とにかく花ですよ!

エゾオオサクラソウ

春を代表する花です。阿寒湖畔ではあちらこちらに群生しますが、一番よく見られるのが「ボッケ 森のこみち」。春にこのような鮮やかな花を見ると、本当に「美しい!」と感じて、気持ちが華やぎます。

シロバナエンレイソウ

葉を立ち上げた姿は、鳥が飛び立とうとしているよう。花びらもがくも葉も3枚の「3尽くし」の花で、種が落ちて花が咲くまで十数年もかかります。だから見掛けると、「よく咲いたね」と声を掛けたくなります。

クロユリ

6月初めころ、「鶴雅」の横にある庭園でも見られます。「黒百合は恋の花ノ」と、戦前のメロドラマ「君の名は」で歌われたように、クロユリの花言葉は「恋」。香りはかなり強烈です。

ヒメイチゲ

まるで妖精のようにスッと姿勢良く踊っているようです。5月中旬ころ、「ボッケ 森のこみち」や阿寒湖周辺で咲きますが、小さな花なのでよく探さないと、なかなか見つけられません。

コミヤマカタバミ

三姉妹のようなかわいい花、この花は大木の根元あたりにかたまって咲くので、まるで春の緑の中に雪が積もったような、幻想的で美しい光景を作ります。

フデリンドウ

春の枯れ草を突き破るように出てきて咲く花です。しぼむと筆の先のように見えることから、この名前がついたようです。枯れ草の中にポツリポツリと咲く、このきれいな色を見ると、春の妖精を感じます。

マムシグサ

その名の通り、マムシが土から出て立ち上がっているような姿。散策路を歩いていて、この「マムシグサ」に出合うと、一瞬ドキッとしてしまいます。きっとだれもがそうでしょう。さらに伸びて、実もつきます。

ミドリニリンソウ

白い花の「ニリンソウ」の群生を、じっくりと探してみてください。きっとその中に、この「ミドリニリンソウ」があるはず。これは「ニリンソウ」のがく片が変種したもの。「鶴雅」横の庭園でも見られますよ。

もう一言
「阿寒の森ホテル 花ゆう香」のロゴマークに使われている花のイラストや、「花ゆう香」全95室に掛けられている花の絵は、実は私が描いたものなのです。花言葉を入れて心を込めて描きました。花ゆう香売店の包装紙は私の絵です。


写真中央が〈クリットケヴュル ツトラミネール2005〉。香草を使ったパスタやクリーム系のパスタ、マスカルポーネなどにも合います。

アルザスのちいさな農家で作られた知る人ぞ知る
ワインはいかがですか?

「ソムリエのつぶやき」初登場のソムリエです。
普段は「あかん遊久の里 鶴雅」におりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて今回ご紹介するのは、春に似合いそうなワイン。酸味がやわらかく、飲んだ瞬間にフルーツ感をふわっと感じる私のお気に入り、〈クリット ケヴュルツトラミネール2005〉です。辛口なのに、とてもやわらかい果実の甘味があり、ライチやトロピカルフルーツの香りに包まれるような…。これが作り手の特徴なんですね。生産量が少ない知る人ぞ知るワインで素敵な春を!


 この春は、さまざまな野菜や山菜、そしてコラーゲンを多く含む食材がコースを彩っています。たとえば、今では希少な根室産キンキ。身が締まって脂が多いこの時期のキンキは、お鍋などで登場しています。写真は〈アスパラの焼き物〉と〈春香る前菜〉です。さっと炙った北海道産アスパラは甘味がひときわ増しています。前菜では、コラーゲンが豊富といわれる野付産ホタテの昆布じめを。そして、春大根や土筆(つくし)なども春の香りを運びます。山菜のほのかな苦みなど、この季節だけの幸せを感じてください。

〈アスパラの焼き物と春香る前菜〉。野菜とコラーゲンたっぷりの、女性にうれしいコースになっています。


 鶴雅の源泉100%で作られたスプレー式化粧水「ラクルウォーター」は、洗顔後に使うとその後の化粧水がスーッと浸透し、保湿力もあると好評です。鶴雅の源泉は、肌を柔らかくする炭酸水素イオンが濃厚なので、もともと美肌の湯ではあったのですが…。このたびさらに、新たな美肌成分が判明しました。それは「メタケイ酸」という成分。このメタケイ酸が1リットル中50ミリリットル以上含む温泉水は、肌の健康を保つバリア層ともいえるセラミドを整えるということです。鶴雅の源泉が含むメタケイ酸は1リットル中274ミリリットルとかなりの濃度。あらためて「ラクルウォーター」のチカラを試してみませんか?

〈アスパラの焼き物と春香る前菜〉。野菜とコラーゲンたっぷりの、女性にうれしいコースになっています。


(左)開講式では学生たちから、「サービスとホスピタリティの違いを学び
   たい」など、個々の目標が語られました。
(右)開講式後のオリエンテーションでは、講座カリキュラムの説明が行わ
   れました。

 今年で3回目を迎える「鶴雅観光人材養成講座」が3月7日に鶴雅で開講しました。参加したのは札幌国際大学・観光学部観光学科の学生14名と1名の民間研修生。この講座は鶴雅グループが抱く「日本の観光産業を担う人材を育てたい」の思いから実現してきたものです。
開講式では鶴雅グループ社長の大西雅之から、「今年は日本にも観光庁が設置されます。日本の観光がやっと産業と認められる契機の年に、多くのことを学んでください」と激励の言葉が贈られました。研修生たちからも、「ホテルとは違うきめ細やかなおもてなしを学びたい」「アイヌ文化に興味があるので積極的に吸収したい」など熱意ある言葉が。外部からも4名の講師を招き、講義、実習、制作の3項目を22日間に渡って受講した学生たち。彼らの未来が楽しみです。


プランニング&デザインを行った、イエローデータ代表岡部泉さん

 阿寒のアイヌ文化をテーマとしたフロア「レラの館」。その「レラの館」のダイニング、「北の炭焼 ケラアン」が4月10日にリニューアルします。さて、その内容とは? プランニング&デザインを行った岡部泉さんにお話しを聞いてみました。「もともとアイヌ文化が薫る空間でしたが、その雰囲気がさらにパワーアップします。レンガのかまどが4つ並べられ、そこでは串に刺した食材を炙ることができ、テーブルの上でも炭焼きを楽しめたり…。熊笹で巻いたお肉や魚を炙って食べるなど、火や自然素材とともに暮らしてきたアイヌ民族のイメージを取り入れ演出されるのです。以前はバイキングイメージが強かった料理内容も一新し、「ケラアン会席」なども登場する予定です。また、食卓のプライベート性も高まるので、火や食材が焼ける音などに感激してにぎやかな時間を楽しめることでしょう」と岡部さん。ざわめきと躍動感があふれる「炉端レストランケラアン」をお楽しみに。